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「Cookie」って聞くけど何? あなたのネット行動がバレる仕組みと、こっそり守る簡単な方法

Tags: Cookie, トラッキング広告, オンラインプライバシー, 追跡防止, ブラウザ設定

ネットを見ているだけなのに、なんだか不安…その理由のひとつかも?

インターネットは私たちの生活に欠かせないものになりました。調べものや買い物をしたり、趣味の情報を見たりと、毎日当たり前のように利用されていることと思います。

そんな中で、「なんだかいつも見ているサイトに関連した広告ばかり表示されるな」「さっき調べた商品の広告が、別のサイトでも出てくる…」と感じたことはありませんか?

もしかすると、あなたのネット上での行動が「追跡」されているのかもしれません。そして、その追跡に深く関わっているのが、「Cookie(クッキー)」と呼ばれるものです。

名前は聞いたことがあるけれど、それが一体何なのか、そしてどうすれば良いのか分からない…そう感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、難しく考えずに、「Cookie」とは何か、なぜあなたのネット行動が追跡されるのか、そしてその追跡から身を守るための簡単な方法について、分かりやすくお伝えします。

「Cookie」って、一体何?なぜあなたのネット行動を覚えているの?

まず、「Cookie」とは何かについてご説明します。

Cookieは、あなたがウェブサイトを見たときに、あなたのパソコンやスマートフォンの中に保存される小さな情報ファイルのことです。

例えるなら、ウェブサイトがあなたの「訪問カード」のようなものを置いていくイメージです。

この「訪問カード」には、あなたがそのサイトを訪れた日時や、ログインしているかどうかの情報などが記録されます。

これにより、次に同じサイトを訪れたときに、前回の情報を使ってあなたを認識することができます。例えば、一度ログインすれば、次に訪問したときにまたパスワードを入力しなくても良いのは、Cookieのおかげなのです。オンラインショップでカートに入れた商品が、後でサイトを見てもそのまま残っているのも、Cookieの働きによるものです。

なぜCookieで「追跡」されてしまうのか?

Cookie自体は、ウェブサイトを便利に使うための仕組みです。しかし、このCookieが「追跡」に使われることがあります。

これは主に、「サードパーティCookie」と呼ばれるものによって行われます。

あなたがAというサイトを見たとします。このとき、Aのサイト自身のCookie(ファーストパーティCookie)だけでなく、Aのサイトに表示されている広告を提供している会社など、Aのサイトとは別の第三者(サードパーティ)がCookieを保存することがあります。

次にあなたがBという別のサイトを見たとき、もしBのサイトにも同じ広告会社の広告が表示されていたら、その広告会社はBのサイトでもあなたのCookieを読み取ることができます。

すると、この広告会社は「このCookieを持つ人は、さっきAのサイトも見ていたな」と分かります。さらに、あなたが様々なサイトを訪れるたびに、そのCookieの情報が積み重ねられていきます。

このようにして、特定のCookieを持つ人が「どのようなサイトを見て、何に興味を持っているのか」という情報が、複数のサイトをまたいで集められていくのです。これが、あなたのネット行動が追跡される仕組みです。

集められた情報は、あなたの興味関心に合わせた広告を表示するために利用されます。あなたが一度検索したり、見たりした商品の広告が、後から別のサイトでも表示されるのは、この仕組みが働いているためです。

追跡されると、どんないことがあるの?

ネット行動が追跡されることによって、以下のようなことが起こります。

「便利だけど、なんとなく気持ち悪い…」「自分の行動を知られているのは抵抗がある」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

簡単!追跡から身を守るための設定方法

完全にネット上の追跡をゼロにすることは難しいですが、Cookieを利用した追跡を減らすための簡単な方法があります。今すぐできる設定をいくつかご紹介します。

1. ブラウザの設定でCookieを無効にする、または削除する

多くのウェブサイトで利用されているCookieですが、あなたの利用しているインターネット閲覧ソフト(ブラウザ)の設定で、Cookieの保存を拒否したり、後から削除したりすることができます。

お使いのブラウザ(Google Chrome, Microsoft Edge, Safari, Firefoxなど)によって設定画面の名称や場所が少し異なりますので、ブラウザのヘルプメニューやインターネット検索で「[お使いのブラウザ名] Cookie 設定」と調べてみると、詳しい手順が見つかります。

2. シークレットモード(プライベートブラウジング)を活用する

ほとんどのブラウザには、「シークレットモード」や「プライベートブラウジング」といった機能があります。このモードでウェブサイトを見ると、閲覧履歴やCookieなどが、そのウィンドウを閉じた後に保存されないようになります。

一時的に、誰にも知られずに調べものをしたい場合などに便利です。ただし、このモードを使っても、訪れたウェブサイト自体や、インターネット回線を提供している会社(プロバイダ)には情報が残る可能性があります。完全に匿名になるわけではない点にご注意ください。

3. 追跡防止機能付きのブラウザや拡張機能を利用する

プライバシー保護に特化したブラウザ(Braveなど)や、ブラウザに追加して使う拡張機能(Disconnectなど)には、広告のブロックやトラッキングの防止といった機能が組み込まれているものがあります。

これらのツールを利用することも、追跡を避ける有効な手段の一つです。ただし、拡張機能などは信頼できる提供元のものを選ぶようにしましょう。

まとめ:無理なく、できることからプライバシーを守りましょう

「Cookie」を使ったトラッキング広告は、インターネットを無料で利用できる仕組みを支えている側面もあります。そのため、完全にゼロにすることは難しく、また、あまり厳しく設定しすぎるとインターネットの利便性が損なわれる可能性もあります。

大切なのは、仕組みを理解し、ご自身の快適さとプライバシー保護のバランスを見つけて、無理なくできることから対策を始めてみることです。

今回ご紹介したブラウザの設定変更や、シークレットモードの活用は、専門的な知識がなくてもすぐに始められる簡単な方法です。

オンラインでのプライバシーについて漠然とした不安を感じていた方も、これらの対策を少しでも実践していただくことで、安心してインターネットを利用できるようになることを願っています。